里山交流イベントの撮影と編集

探究クラブ

探究し映像化を考えるクラブです

| HOME | ビデオ講座 | 里山交流イベントの撮影と編集 |

里山交流イベントの撮影と編集

竹林の中で薪割りや竹の器作りを体験した参加者の皆さん、その作った器で流しそうめんを美味しそうにかつ元気に頬張っていた皆さん、その姿があんまり楽しそうなのでついつい長回ししてしまいました。
何はともあれ、編集しYouTubeへアップロードした開会式までのシーンについて、収録素材からどのように仕上げていったのか……、以下は7月20日(2010年)に開催した講座の予習用に作成したものです。

○ 7月11日(日)開催「第3回 里山交流イベント」
           〜薪割り・藍染め体験と流しそうめん〜

まずは完成作品から。
テロップ(スーパー)や音楽も挿入して、冒頭の開会式終了までを1分23秒にまとめました。

※ 下記「未編集の収録素材」の項に、この作品の収録素材(YouTubeで限定公開中)を掲載しています。そちらもぜひご覧下さい。

4つのポイント

私は第1回の「里山交流イベント」にも参加しビデオ撮影をしています。とにかく自然に親しむ子どもたち、そして大人たちの表情がいいんですね。表情のアップも動き回る姿も緑の中でとても輝いて見えました。
その時の経験から、また開会式ということも考えて、以下4点をポイントにして撮影と編集を行いました。

  • 音に注目
  • 接近撮影
  • マーカを打つ
  • 既存の流用

まず「音に注目」について。
イベントに付きものの開会式、それをバサッとカットするのもいいですけど、一工夫で内容に生かせる場合があります。その時問題となるのが「音」、つまり挨拶や説明の音声の録音です。プロは通常、カメラとは別にマイクを用意して、それを話者の前に置いたり、あるいはワイヤレスピンマイクを話者に装着していただいて、音をカメラに飛ばし録音します。
ですが内蔵マイクのみで録音するとなるとちょっと工夫が必要です。でもこの方法いろいろなところで役に立つと思います。

0914_100711-128a1.jpg左の人(私)が手にするのがカメラです(クリックで拡大します)次に「接近撮影」ですが、これ実はなかなかプロが真似できない小型カメラの離れ業なのです。大きなカメラを使うプロたちは、大概カメラを肩で担ぐか三脚に載せて撮影します。左画のような手に持って(と言うよりわしづかみにして)、そして何より身体から離した状態で、それも長時間の撮影はプロであっても酷というものです! また担いだカメラをこうしたローアングル撮影するために、あまり腰を落とさずに、それでいてスムーズに下方へ降ろしていくこともプロ用のカメラではおそらく至難の業でしょう。手持ちでは、肩に担いで始めて安定するのが大型ビデオカメラなのです。
550_100501-Clip #20 000046;25 000059;28.jpg通常のプロ仕様カメラでの手持ち肩乗せ撮影風景(クリックで拡大します)この際、小さなカメラだからこそできるプロを超えた技法を習得しちゃいましょう。

3つ目の「マーカを打つ」は、私にとっては編集作業時のまさに基本の基本で約束事のような事柄です。編集の時、OKカット(クリップ)や使用する候補となるカットを切り出して、別のコーナー(ウィンドウ)に一覧化するのが普通だと思います。私の場合は、撮影した映像全部をタイムライン上に配置して、頭から見ながら気を引いたところに、(後から探しやすいように)連番の付いたマーカを打っていきます。
0914_100715-002.jpg ※ クリックで拡大します……と文字にしてもなかなか理解を得る自信がありません、ということでぜひ講座にご参加ください。(もしかしたら、サッサと編集を終えるのに障害となるのがこの作業なのかもしれません)

最後の「既存の流用」というのは、かつて撮影したものや、作成したタイトル、そして使用した音楽を流用しようという案です。例えば、この作品は、「ついてこっと」というシリーズの2作目と位置付けています。そうすることで、トップとエンドのタイトルそして音楽を流用することができるというわけです。
短いものでもシリーズ化すれば「寅さん」や「トラック野郎」のように目立つのかも、、、知れません。
流用したのは、前作「ついてこっと(No1)〜子どもの日 高岡市手洗野へ〜」です。(下記映像)

未編集の収録素材

前記の完成作品(「開会式編」とでも)は、どのような素材をどう料理して作られたのか。
そのことを示すため収録した素材の一部を示します。

約6分あり、おそらく見るのに多少の忍耐が必要でしょう。他者が撮影したままの(未編集の)映像は無味乾燥なものです。少し我慢して、仕上げられた映像と比較しながら、特に音を意識して見ていただければと思います。

カメラの構え方

何度見ても自分の撮影する姿はみっともないので講座当日のみと思っていましたが、もしかしたら事前に見て当日面白い質問でも飛び出すなら有難いという気になりアップすることにしました。
ビデオ「第3回里山交流イベントでのカメラの構え方」

「構え方」としましたが、実際には、被写体に対するカメラの移動(位置変更)の事例ということになるかと思います。……おー、恥ずかしい!

このカメラ(ソニー HDR-CX550V)のすごいのが「手ブレ補正」機能です。
歩きながら、走りながら、遠くからの表情ねらいであっても……かなり安定した撮影ができます。
ただ注意しないと、勝手に調整してフラフラする時があることです。それも微妙に。
ですので、三脚に載せた時はOffにします。
相手が動き、それに合わせてこちらも動く、そういう時の威力発揮は絶大です。
合わせて、ワイコン無しでも十分なワイドなレンズの存在がその機能を助けているようです。
他のメーカーの「手ブレ補正」も皆このレベルなのでしょうか。
将来、安定して撮るための高価で重い三脚がアマチュアを寄せ付けないプロの必須ツールだった、と過去形になるのかもしれませんね。

ソニー HDR-CX550Vの弟分のHDR-CX370Vについて、以下の記事がありました。
出典「旅カメラ選び」(『ビデオSALON』2010.8月号 p14-)
内容:キヤノン HF M32、HDR-CX370V、パナソニック HDC-TM35、ビクター GZ-HM570
以上4機種についての比較レポートです。その中に、
「4機種とも手持ち撮影を意識した手ブレ補正を搭載している。(略)特に広角側の滑らかさではCXに一日の長があるようだ。」(p18)という指摘がありました。

事前の準備(以下、撮影の2日前の記述です)

イベントをサッサと撮影し、サッサと仕上げてしまうことをテーマにしましたが、どうしたらそんなことが実現できるのでしょうか。実はこれまで私は、サッサと出来た経験は皆無に等しいように思います。
何はともあれ、頭からお尻までを一応見通しておく必要がありそうです。
要するに、何を/どう撮影し/どう編集するか、ということですから、
まずは「何を」を事前にはっきりさせておこうと思いました。

いつ何を撮影するのか

今日は撮影の2日前(7月9日)、この時点で主催者側から次のような情報が得られていました。

  • 08:30 里山交流センターで受付開始
  • 09:00 スタッフミーティング
  • 09:30 開会式、終了後ただちに里山へ移動
  • 10:00 薪割りイベント(希望者のみ)
  •       竹細工(全員):流しソーメンを食べる器作り
  • 11:20 里山交流センターへ移動
  • 11:30 センターで昼食(流しソーメン・おにぎり)
  •      (スタッフがお釜でご飯を炊き・おにぎりを作る)
  • 13:00 藍染め
  • 15:00 終了

撮影そして編集の方針(あくまで撮影2日前の時点での方針です!)

YouTubeにアップロードするならなるべく短く仕上げたい。5分以内を目標にしました。長さを決めることで、撮影しても大半が使えなくなることが意識できます。とはいっても「記録」としての意味もあるでしょう。
もし裏方さんの活躍を記録したければ、受付風景だって、ミーティングだって重要シーンです。開会式での主催者側の緊張感、集まった参加者の期待感、そういうものも一応は記録しておきたくなりますね。

そこは大いに迷った上で、大概は「少しは撮影しておこう」ということになります。
余談ですが、私が映像業界に入った当時は、16mmフィルムによる撮影が主流で、3分間の生フィルム費に現像費を足すと1万円から1万2千円くらいかかってしまいました。「記録」のために余計に撮影するなんてとんでもないことだったのです。ビデオになってまるで別世界です。

さて、それでもサッサと作品にするためには度胸を据えてかかる必要があります。つまり「これは不要だ、こっちは作品に使うぞ」というその場その場での決断です。
短時間での編集を優先するため(という名目で)、まず午後の藍染めを撮影対象からはずしましょう。
次に、気を入れてかかる撮影は、09:30 以降の「里山へ移動」からとします。
大きく2カ所、里山とセンターでの撮影に絞ろうというわけですが。
今の考えと当日の思いは別物ですから、どうなりますか。