2. 札差泉屋(丹羽家)の墓所発見(B. 記録映画の舞台裏)

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2. 札差泉屋(丹羽家)の墓所発見(B. 記録映画の舞台裏)

円光寺と誓願寺
私たちにとって、円光寺での札差墓所発見のインパクトは確かに大きなものがありました。
しかし、平成7年5月18日にうかがった誓願寺受用院の青地家(伊勢屋)墓所ではその規模の大きさに圧倒されたものです。私たちはご住職の許可を得て、墓石に記された事柄を極力記録し写真に収めました。でもこう話を進めるといかにも発見の連続だったようですが、実は青地家についてはあらかじめ北原 進氏からアドバイスを得ていました。
 


また住友史料館の末岡照啓氏からも多くの助言をいただきました。こうしてさまざまな方の支援を得て、円光寺で札差泉屋(丹羽家)の墓所発見に至ったのですが、もう少し他の収集データについて挙げておくことにしましょう。

地籍台帳(クリックで拡大します)

 
 
地籍台帳
左図は、明治以後つまり幕藩体制が崩壊して札差が過去のものとなった時、かつての札差たちがその後どのように生き抜いていったのか、その手がかりを探るために作成したものです。つまり明治45年(大正元年)と昭和10年に刊行された地籍台帳の中の、蔵前周辺地域のデータをインプットし、氏名を五十音順に並べ替え、先の「蔵前・札差リスト」等と照合しようとするものでした。まだそれほど成果はあがっていませんが、すでに1500件ほどのデータ入力を終えています。

浅草人物史(クリックで拡大します)

 
浅草人物史
左図もこれに関連するもので、後藤米吉著「浅草人物史」(実業新聞社 大正2年)から各項目を入力しています。同書における人名の配列は「いろは」順でしたが、検索を容易にするため五十音順に並べ替えることも目的の一つです。

ハイパーカードというソフトを使った例

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ハイパーカード
勿論、年表等の作成も行いましたが、長期の取材に入る場合いつも活用していたソフトがあります。ハイパーカードというカード型のデータベースソフトです。これに、役立ちそうな情報を適当な項目名をつけてどんどん入力していきます。「蔵前・札差リスト」や「地籍台帳」「浅草人物史」等のデータはもちろん、インタビューを行い書き起こしたテキストからも必要部分をコピーしてカードの中に貯えていきます。(上図参照)

こうすることで、数百件のカードの中からでも、特定の言葉を瞬時に見つけだすことができます。そして思いついた言葉で検索していくと、一見無関係な項目同士に意外な結びつきを発見することもあり、たいへん重宝してきました。そうしてカードの情報を一覧表にし提出書類として作成することになります(左図)。
しかし、このソフトもすでに過去のものとなってしまいました。